夜驚

 夜、道を歩いていたら、変な人が後ろをつけてきそうな雰囲気があったので、マンションへの帰路を急いだ。後を追いかけてこられて、エレベーターに乗る時一緒に乗り込まれたら、恐ろしいことになりかねない。エレベーターにさっと乗り込み、「閉」のボタンを急いで押す。ああこれで大丈夫、と一息ついたところでふと後ろを振り返ると、エレベーターの隅に痩せた目の大きい男がじっと佇んでいた。男は私と目が合うと、ニイッと笑った。「いやっ!」と思わず叫び、自分の声で目が覚めた。
 また夜驚してしまった。