ジーンズの進化

 うちのジーンズがそろそろ引退なので*1、後継ジーンズを買いに行った。まずは近所の量販店を覗くと、何だかあまり気に入らない青色しかなかった。うーん。そして、ポリウレタン混紡のジーンズがほぼ9割5分。もう綿100%は極めて限られた数しか置いてないんだそうだ。確かにパッと触っただけだと綿100%とあまり質感は変わらないし、混紡の方が格好良くフィットしてかつ締め過ぎず快適なので、混紡が席巻するのもわかる。10年経ったらこんなに状況が変わるとは思わなかった。ジーンズは不変だと思い込んでいたが、ちゃんと進化していくものなのだな。

 今回のジーンズに私が望むのは、格好良くて御洒落なフィット感よりも機動性と快適性。なので専門店に行って選んでみて、その上で決めようと思った。ところが、専門店でも綿100%ジーンズの扱いは減っているという。定番のストレートで綿100%で、という注文を叶えるのがこんなに難しくなっているとは。なんかその場の勢いと店員さんに乗せられて、初めてボタンフライのジーンズを買ってしまう。ジップフライの綿100%ジーンズの在庫がなかったのだ。でもオーバーサイズなのでボタンフライでもそれほど手間取らないだろうし、まあ良いか。

 しかし改めて考えてみれば、ボタンフライが主流だったのはジッパーが壊れやすかった頃の話だろうし、綿100%よりも混紡の方が格好良く快適に履けるからウケているのである。ボタンフライで綿100%って、時代の逆行甚だしい選択だろう。大体、未だに綿100%を選ぶ人の理由「味わい深い色落ちが楽しめる」も、私は色落ちを楽しみにしながら履いているわけでもないので、大して該当しない。「混紡は型崩れしたら戻らない」も綿100%派は言うらしいが、もうかれこれ7-8年履いているおしゃれ混紡ジーンズは別に崩れていない。以上から、混紡を選ばない理由は特にない。何故わざわざ懐古趣味みたいなことをしたかなー、そんな趣味ないのに。と、ちょっと後悔している部分もあるし、でも綿100%がくたびれてきた時の柔らかさが凄く好きなので、まあこれでいいや、と思う部分もあり。

 今回、綿100%と混紡のジーンズの比較を少しネットで調べてみて、綿100%ジーンズはマニアの世界というか、好事家の世界になり始めている(もうなっている?)ことを知った。尾道デニムの「色々な職業の人に履いてもらって、その職業なりの色落ちデニムを作る」*2とか、好事家ジーンズの極北だろう。これ、アイデアは凄く面白いけど、知らないおっさんが1年履いたジーンズをありがたがって買うのかと思うと、何だかブルセラを髣髴とさせるものがある*3

*1:https://hamahn.hatenablog.jp/archive/2020/05/21

*2:http://www.onomichidenim.com/about

*3:ブルセラ」という語が時代を感じさせる。ブルセラのような商売って今もあるんだろうか?