過剰なものが好き

 先日会議場のロビーで読書をしたら異様に捗った。これは「読書専用環境」を設定したら、読書が捗るということではないのか。そんな考えに捕らわれて一週間。読書用にオットマン付きの椅子が欲しくて仕方ない。安楽で、疲れたらそのまま昼寝もできちゃう椅子が欲しい。そんな椅子が自宅にあったらどんなに素敵だろう。
 タバタ先輩と話す機会があり、上記の話をしたところ「初めて独り暮らしを始めた時、六畳一間にオットマン付きの椅子置いてたよ」と言われる。ええっ!? 更に「その時、ダイニングテーブルとベッドも置いてた」と衝撃の告白が続く。えええッ!? 当時は家具の隙間を縫うようにして部屋の中を移動していたという話に爆笑。一人暮らしを始めるにあたり、憧れる暮らしの在り方があったんだろうなあ。で、部屋のサイズとか使い勝手とか考えるよりも、自分の理想を実現してみる方に欲望が傾いちゃったんだろうなあ。
 私はその辺吝嗇なのと、インテリアとかコーディネートに頓着無いので先輩のようなことはまずしないと思う。でも「そうしたかったんです」で無茶してしまう辺りが凄く好き。普段非常に現実的なタバタ先輩らしくないエピソードの内容と、エピソードに包含される欲望先走り具合に注意が向き過ぎてしまって、肝心のオットマン付き椅子の使い心地については聞きそびれる。ああ。