屁をひって おかしくもなし 独り者

 昼食にしようと思い、冷凍ご飯をチンして皿に開けた瞬間に皿を床に落とす。ご飯は思いっきり落下し、ついでにキッチンの引き出しにもご飯粒が点々とついてあちこちベトベトになった。「あああああっ! ……あーあ」で、出てきた言葉はおしまい。これが最後の冷凍御飯だったので物凄く悲しいが、傍から見ると淡々と片付けているように見えることだろう。
 白飯が食べられなかったことが悲しいが、考えてみればこれが養わねばならぬ家族がいたなら、ちょっとした不穏な空気が流れる展開になっていただったことだろう。そう考えると、食べる御飯がなくなっても穏やかな空気でいられるのだから、それはそれで良いのかもしれない。