「無限の住人」を最後まで読む

 「腑分け編」ですっかりダレてしまって、頓挫していた「無限の住人」を最後まで一気読み。腑分け編が済んだら、怒涛の勢いの逃避行と執念の追走劇。わくわくしながら一気に読んでしまった。これ、完結してて読んだから満足感凄いけど、リアルタイムで読んでたらもっと焦れていたんだろうなあ*1。完結してから読めて良かった。20年も連載していたことを後書きで知り、小さく感嘆の声が出る。ちゃんと風呂敷畳めて良かったな。長期連載って畳めなくなっちゃうケース多いからなー。
 そして、誰が魅力的かといえば、やはり突出しているのは尸良だろう。登場する度に胸糞悪い凌辱を繰り返し、戦い方も周囲の人物への対応も残酷だったり野卑だったり。同情するような面は一切描かれず、徹底して悪役として貫かれている。最期の死に方まで胸糞悪い悪役として痛快な死に方。悪役ってついホロリとするような面が描かれがちだけど、尸良の苦悩には悲哀は感じてもあんまり同情的な気持ちになれない。いいなあ尸良。つい真似て「ゲッハハアアン!?」とか笑ってみたりするけど、上手くできない。そりゃそうか。

*1:月刊誌掲載だったので、刊行ペースは順調でも年に2冊がせいぜいだっただろう。