悪趣味

 職場のPCでネットを立ち上げると、トップページにしばしば某芸能人の奥さんの病状が掲載されている。ターミナルらしいとうっすら認識していたが、いよいよ病状が厳しいようなタイトルがついているのを見る度に憂鬱になる。死が間近に迫っている人の実況中継を見させられているような気分になるんだよなあ。死に付随する家族(特に子ども)の反応がタイトルになっている時は更にやるせない。他人の死と家族の悲嘆反応を待ち望んでいる立場に自分が強引に組み込まれてしまっているようで、何ともいえない気持ちになる。
 モアイで連載されている猫漫画「ペン太のこと」も、今の章は愛猫の死が導入で、愛猫がいかにして生まれて迎えられ、どのような生を辿っているかが描かれているのだけど、死から始まっているので何を書かれても「で、まだ死なないの?」みたいな気持ちにさせられてしまう。先に死という結末を提示しておいて、死までの過程を回顧していく流れには、実に下世話な気分にさせられる。