三文安

 最近よく来る「客」が可愛くて仕方がない。対人緊張が高くておずおずと喋るくせに、偽悪的に振る舞うところとか、私をからかおうとしてくるところとか、物凄く可愛い。年齢が倍異なり、庇護する対象であると認識していると、何を言われても孫を愛でているような気分になってくる。孫いないけど。というか子すらいたことないけど。
 あまりに可愛いのでされるがままになっていたのだけど、これはあまり良くないのではないかと思い始めている。こういうアプローチの仕方で同年代と関わりを持とうとしたら、多分物凄くウザがられるよな……。20代の頃に同じようなアプローチを取られていたら、嫌悪感を抱いて容赦なくやり返していたような気がする。
 可愛くて仕方なくても、失礼な物言いはちゃんと窘めないといけないだろう。しかし、やり過ぎないように窘めるのは難しい。私をからかおうとしてきた最初の時にきちんと線引きを入れるべきだったんだろうな、と少し後悔しつつ、次の手を思案している。「大きくなれよー」という慈愛の感覚と、「大きくなる」ために何が必要であるか・どのように私は振る舞う必要があるか算段を立てるのが面白くて、妙に浮ついた気分になっている。もう少し落ち着こうか、自分。