牡蠣好きの秘密

 親方と私は牡蠣好きである。去年も同様の牡蠣愛好者達と牡蠣を食べに行った。今日親方と話していて「牡蠣のシーズンに入りましたよ!」と誘われる。そうですね、と答えたものの、この時期ってまだ生牡蠣が主流なのよね……。私は生牡蠣が苦手なのだ。大体この告白をすると「牡蠣好きの風上にも置けない!」と非難されるので、まだ親方には言っていない。どうかすると「本当に美味しい生牡蠣を食べていないからそんなことを言うのだ。本当に美味しい生牡蠣を食べたら考えも変わる!」と山岡さんみたいなことを言われかねないので、恐ろしくて言えない。「美味しいでしょう?」というプレッシャーのかかる中で食べた生牡蠣が美味しくなかったら、もう本当に逃げ場がない。

 ここまで考えて、「一人で生牡蠣を食べに行く」という選択肢に気がつく。幸い、名古屋には評判の良いオイスターバーが複数ある。そうかそうか、そこで食べてみて、やっぱり駄目だったら諦めればいい。ちょっと安心。