富士市の工場巡り
元々今回の自転車旅行に富士市は入っていなかった。富士市を入れたのは、DPZの岳南鉄道の記事を見たから。工場くぐりする電車に乗りたい! それに私は自転車を持っていくから、記事よりもっと広範囲に周辺を見物できるぜへっへっへっ。
自戒をこめて
一日フリー切符を購入し、全行程を四往復ほど。
賀正の看板? をつける岳南電車。
岳南原田駅ホームから見る格好いい工場群。この工場群の下を電車はくぐっていく。接近する最中はこちらの興奮もどんどん高まって大変*1。
この辺りはかぐや姫伝説発祥の地らしく、マスコット?「かぐちゃん」が車両先頭についていた。
岳南江尾駅にて。赤と緑の一両電車。昔は貨物線としてブイブイ鳴らしていた時期もあったそうで、比奈駅―岳南富士岡駅間に複線跡が多数残っているのが何だか切なかった。かつてはここに待機する車輛が沢山あったんだろうな。
気がつくと、周囲の乗客はしょっぱい雰囲気の中年カメラ男性ばかりになっていた。彼らも私と同じ一人客で、ずっと電車に乗っている。元旦に家族とも友達とも会わず、工場や電車の見物に来るような人物というのは、皆似てくるなあとしみじみ。ちょっと社会不適応者の雰囲気が漂うというか。
富士市市内を走る
郊外店が並ぶ道も車通りはまばら、ましてや工場密集地域はほとんど車が通らなかった。普段はトラックが沢山走っているんだろうけれど。
どこから見ても富士山が見える。私が出張で来たサラリーマンなら、この風景を絶対話題に取り上げるなあ。逆に出張で来た客を迎え入れる側だったとしても、話題にするだろうな。そして、製紙工場って何となくチャチなイメージがあったけど、全くそんなことはなかった。
工場の配管がお好きな方にはたまらない風景がゾロゾロ。中でも圧巻だったのは、川べりに建っていた工場。ここは川沿いの土手が綺麗に草刈りされており、自由に入れるようになっていた。オフロードなので美利達ちゃんを道路傍に留めて、ぶらぶら歩いて散策。
川面が光り、周囲には誰もおらずただ静かだった。何だか夢の世界のような感じ。川には鴨が沢山おり、私が歩いていくと一斉に川面と水平に数メートル先へ飛ぶ。これ、逃げてるんだろうけど意味あるのか?
自動車の解体工場周辺。持ち込まれた車のシートを土手に敷き詰めている模様。「リサイクル」「車と地球の共存」になるのかこれ?(反語)
あともう少しいたい、日暮れまでには撤収しなきゃ、でもあともう少しいたい……を繰り返しているうち、地図とカメラ両方の役割を果たしてきた携帯の電池が予告なくブッツリ事切れたので仕方なく撤収。本日の投宿先である静岡についたらおでんを食べに行こう! なんて思っていたのだけど、日没後のあまりの寒さにコロッと諦める。ホテルの向かいにあったドラッグストアでビールを買っていると、店員の兄ちゃんと客のおいさんが話をしていた。「元旦ですけど、僕は普段通りの勤務ですね」と兄ちゃん。遊び呆けている自分が何だか後ろめたい。