「イ・サン」

 全77話を観終わる。初めてハマった韓流ドラマ、とても面白かった。でも、面白さのピークは前半〜中盤までの「サンを王位につけまいとする老論派とサン派の攻防」だったような気がする。次に面白かったのは、王の優秀な参謀であるホン・グギョンが権力を欲し・権力に溺れて失脚する過程。王の外戚となることで権力欲に溺れかけ、側室になった妹の死で暴走していく過程は、そのいかにも人間らしい弱さに同情を感じて憎めなかった*1。一方で、暴力装置(警察と軍隊)を一人の人間が掌握することの怖さをしみじみ感じる。
 前半の引っ張りまくるドロドロ政治劇に対して、後半の王室後継者紛争の描かれ方は超あっさりで*2、やっぱり前半の引っ張り過ぎが響いて予算が足りなくなったのかしらとか、監督が家庭内紛争みたいのを描くのを好まないもしくは苦手なのかしらとか、色々邪推。

イ・サン DVD-BOX I

イ・サン DVD-BOX I

*1:史実はもっと嫌な奴だったのではないかと思うけど。

*2:10分の間に世継ぎとなる王子が死んで悲しみと失意のうちに新たな子を授かるところまで描かれる。