味噌女

 味噌が残り少なくなってきたので、買いに行った。味噌はいつも同じ、小さな酒屋で買っている。その店はこだわりの銘酒や調味料を揃えている店で、角打ちもしているので客が多い。店の入り口に「琥珀エビス(生)あります」の字を見て飲みたくなり、ほおおお、なんて小さく息を吐いていたら、入店した途端に店のおばちゃんがサッと寄ってきた。「今、味噌切らしているんですよ……」って、まだ私何も言ってないのに!
 年数回しか行かないのに、すっかり「味噌女」として認知されているらしいことに衝撃を受ける。次に行く時は味噌と見せかけて琥珀エビス(生)を頼んで、味噌女のイメージを攪乱したい。