歩くこと

 職場(高齢者施設)にて。利用者さん達と話している時にお祭りの話になり、ある利用者さん(80代後半)が小学生の頃に放生会*1へ行った時の話をしてくれた。お祭りだからと特別支給されるお小遣いが嬉しくてたまらなかったこと、友達と走って出かけたこと、ずらっと夜店の並ぶ様子、人の多さ、云々。しかし私は聞きながら、不思議に思ったことがあった。子どもたちだけで、どうやって筥崎宮まで行ったのだろう?
「走って。……そりゃ疲れるから、時々は歩いたけどね」
この人の住んでいたところから筥崎宮まで軽く10kmはある。10km……。往復20km歩くのか……。
こういう話を聞くと、ヒトが備えている野生動物並みの身体能力は「長時間長距離の移動能力」であるという言説に妙に現実感が湧く。このケースも、子どもが平然と20km歩いているもんなあ。

*1:関東の人向け解説:「ほうじょうや」と読む。筥崎宮(はこざきぐう)という神社で行われる福岡の大祭の1つ。