シャネルの真実

 先日一緒にシャーリー・マクレーンの映画を見に行った同輩が映画終了後に購入し、貸してくれた本*1。内容はシャネルの一生について、元新聞記者の著者が取材しまとめたもの。同輩の感想は「カタカナばかりの似たような名前が出てきて読みにくい」とのことだったが、私は名前よりも、飛びまくる話題に振り回されて読みにくかった。シャネル自身に起きた出来事、時代背景、フランスのウーマンリブ、著者自身が取材した(シャネルと交友があった・同時代に生きた)人々、これらの話題がくるくると唐突に入ってくるので「ちょっと待て! 今は何の話をしてるんだ!?」と数行戻って読み直すこと何度か。話題の配置が一貫しない本の作りにイライラした。話題そのものは面白いので、話題を整理して提示すれば良かったと思うんだけどなあ。編集の問題だろう。最近編集の悪さが目につく本に触れる機会が増えているような気がする。あと、碌な裏づけもないまま登場人物たちの行動を描写し「〜だっただろうか」「〜かもしれない」で文を締められると、本全体の信憑性が下がるので止めた方が良いと思った。
 しかし、フランスで女性が参政権を得るまで・公的な立場を得るまでには随分長い戦いの歴史があったのですね。今まで「自由・平等・博愛・文化の香り高い国」というイメージが強かったのだけど、フランスに対するイメージが少し変わった。

シャネルの真実 (新潮文庫)

シャネルの真実 (新潮文庫)

*1:てっきりサントラを買ったのかとばかり思っていたので、「貸してあげるね!」と本を渡されて拍子抜けした。率直な感想を言える関係の人から、このように「これ読んで(聴いて)!」と押しつけられるのは嫌いではない。