日本トラウマ・まんが話

 今まで読んできた漫画について情報交換する機会が某所であった。随分久しぶりで記憶の澱に手を突っ込んであちこち掻き回していたら、往年の疑問がふと蘇ってきた。で、調べてみたらやはりそうらしいことが判明。『人間シンボーだ』は山田花子の漫画だった。
 『人間シンボーだ』は、私が小学校1〜2年の頃に読んだ漫画である。当時私は学童保育に通っており、学童保育に置いてあった古雑誌と漫画の単行本をよく読んでいた。『人間シンボーだ』は古雑誌を読んでいた時に読んだ。他の漫画と比べて異様に画面が暗く、コメディタッチの内容*1なのに何処か不気味で、強烈に印象に残っている。多分、見てはいけないものを見たというか、子どもなりに闇の淵を見たのではないか? と思う。
 その後、二十歳を過ぎてから初めて『神の悪フザケ』を読む機会があったのだが、強烈な被害意識と惨めさにやられて半分も読みきらなかった*2。そして、絵柄と内容の調子から「もしかしてこの人は『人間シンボーだ』の作者では?」と思ったのだけどその時はわからず、今になってどうもそうらしいとわかるに到った、と。
7歳くらいの時に読んだ物が20歳くらいの頃に蘇り、30越えた今になってもまだ気にかけていたとは、大概私もしつこいとは思う。
 山田花子は恐ろしくて今も全く読む気がしないのだが、今読んだら7歳の頃や20歳の頃の私とは違う読後感を得られるだろうか?

定本神の悪フザケ

定本神の悪フザケ




*1:大方は4コマ漫画だったと思う。「愛して愛して愛しちゃったのよ」を歌う女子にどんどん視点が近づいていって、4コマ目で急に視点が遠ざかると、彼女が歌っていたのは選挙カーの上であったことがわかる。などの内容だった。

*2:こんな風に世界を捉えていたら、そりゃあ自殺するしかないなあと思った。