若返りそうでした

Chicago Club Night #16(ドグラマグラ、マクナクマン、I want city、tepPohseen at デカダンデラックス(天神)

 Joe Lally & Zuの来日公演がキャンセルになったということで、このようなラインナップに変更になった今回のイベント。最初に来日中止の件について御挨拶があったり、バンド(tepPohseen)からコメントが出たり、何だか神妙な雰囲気で始まる。このブログも、ここ数日リンク元を見ると「Joe Lally & Zu」のキーワードで見た人が結構いたようで*1、この出来事は私が思っているよりもずっと大きなことだったのかもしれない。

tepPohseen

 最初は座って観ていたのだが、好みの音に釣られてフロアまで出てきて見物。ボーカルがほとんど聞こえなかったのはちょっと残念だった。あと、男性ボーカルは節々で微妙に音が外れていて、何だか既視感があるなあ〜と脳内検索をかけた結果、Galaxie500のへなへなした男性ボーカルを思い出す。あの人もゆや〜んと音外す(外れてる?)よね。音がイマイチバラバラで、これ一つにまとまって聞こえたら凄いうねって気持ち良かっただろうに残念だわ〜と思っていたら、次第に調子が上がってくる感じで後半は良かった。ラスト手前の曲が内心盛り上がりました。
 ここで、taniseさんと遭遇。8/19に「真夏ノ夜ノ夢*2」が行われるお店「北方バードマンハウス」について教えてもらう。バードマンハウスはギッチリ詰まって80名程度収容のハコで、和室もあるらしい。わ、和室?????

I want city

 ベースとドラムしかいないのに、コンピューターを使うので音がたくさん。その場で録音したフレーズをぐるぐる流して、リアルタイムの演奏に使ったりしていた。機械って便利ですな。最後のパンクな曲が好きでした。あと、ドラムの人の坊主頭が素敵だった。テッポーシンの人が盛り上がって物凄く踊っていた。

マクマナマン

 マクナクマンとかマナナクマンとかマクナンマンとか色んな誤候補が頭の中に溢れてしまって、名前の記銘と想起がとにかく凄く大変だった(未だにあやふや)。今回これを書くことで正式名を覚えられると良いのだが。
 轟音ギターのバンドで、私はこれが一番良かった。メンバーは客席に背を向けて(または半身)ドラムを見て演奏していた。ドラム以外の3人(ギター2人とベース1人)の足元には複数のエフェクタが並んでいて、それを足で操作しているのがよく見えた。それを見て、シューゲイザーがshoe gazerと呼ばれたわけがよくわかったような気がする。ステージ真ん中のギターの人が跳ねたり痙攣したような激しい動きをしていたが、両脇の演奏者にぶつからないあたりが偉いなあと思った(ステージからは何度か足を踏み落としていた*3)。

ドグラマグラ+Ryosai(|Uniq"est|)

 出演前のSEに尺八の音(多分Ryosaiさんの音源)が使われたり、ステージにセッティングされたPCの画面は中国の看板みたいなの*4が映っていたりで、ああリョーサイさん色だなあ、という感じで期待十分。がっ! これまでの3バンドから客がガクーンと減る。トリなのに……。トリって大体客が詰めるもんじゃね? 料金の元はとるぞーとか、とりあえず最後まで見ておこう*5とかつい考えて、大抵最後まで観てしまう私が単に貧乏性なだけなのかしら。現実は厳しい。
 最初はRyosaiさん抜きで。「ヘイジョー、なんでここにおらんのや」という谷本さんの至極まっとうなMC入り。今日は高揚していきそうな箇所ででなかなか高揚していかない。う〜焦れる〜。もどかしさにじりじりしているところでRyosaiさんが加わると、バイオリンが物凄い太い音を立てて演奏再開。バイオリンってこんな音も出せるのか! しかしやっぱりシンプルに高揚していかない。寸止めが何度も続く感じ。うー。面白かったのはRyosaiさんのパフォーマンス*6と、客がじりじりとフロア前に出てきていたこと。他の人もじわ〜っと温まってきているんだなあと思ったら嬉しくなってちょっとにやにやしてしまった。最後はまったりとした曲でメンバー紹介、次の演奏予定のアナウンス*7をして終わり。こういうマッタリした曲をシメに持ってくるのがらしいというか、「ああ、終わりなんだなあ」という気分*8を物凄く高められた。

*****

 Joe Lally & Zuの公演中止は残念だったが、好きな系統の音を出す未知のバンドばかり+ドグラマグラで、私は結構楽しかった。やっぱり私はエフェクターをかけまくった音、轟音ギター、水っぽい音が好きで、こういう音を聴くと血が騒ぐというか、何だか若返るような気がすると再確認。あと、似た系統の人たちを一気に観たせいか、例えば緩急のようなメリハリって凄く大事らしいとか、「どんな機材を使ったって、面白くない奴の音は面白くない」というJOJO広重の言葉とか、「ロックはリフだ」というササセッズを思い出したり色々する。

*1:リンク元から判明している分だけで3日間で27回このキーワードでのアクセスがあった。

*2:ドグラマグラ・呆けすとらのバイオリン奏者、谷本さんの関連演奏者が一堂に会する、豪華競演イベント。今年で3回目。

*3:ステージとフロアの段差が低いため、踏み落としてもステージから落下することはない。

*4:もしや天安門広場だったのか?

*5:多くの場合、トリにはイベンターの「推し」が来るため、面白いものに出会える可能性は高い。

*6:尺八を吹きつつ、格子柄の足袋を履いた足でテルミン(?)を操作していた。そして、体力テストのような謎のステップ! 結構大柄な彼が、ステージで敏捷に跳ね回っていることは非常に目を惹いた。

*7:「今日はこのように沢山のお客さんの前で演奏できて……」というコメントを聞いて思わず吹き出してしまったが、考えてみれば確かにその通りかも。

*8:こういうと物凄く無粋でアレですが、閉店間際に聴く「蛍の光」みたいなもんですかね。