安政柑

 店頭における雑柑類の姿が減ってくるこのくらいの季節に、ひっそりと並び始める雑柑。どういうわけか見かけるのは広島県産のものばかりで、九州島内のものを見かけたことがない。
 上玉のパール柑より一回り二回り大きいかという感じのサイズで、外皮も厚くザボンの仲間のような感じだが、果肉はまったく潤いがない。パサパサしていて、ほんのり甘くてほろ苦い。
 実は、昨年も一度食べたのだがその時は果肉がバサバサで明らかに古い感じで、全く食べられたものではなかった*1。今回食べた安政柑は去年のそれよりは余程マシだが、それにしても全く美味しいとは思えない……。独り暮らしのおばあちゃん宅に遊びに行ったら、おやつに出てきそうな雑柑。
 今回の安政柑も古いんじゃないの? と言われればそんな気がするし、こういう雑柑なのだと言われればそうなのかという気もするし……。うーん、「これが100%本領発揮した安政柑だ!」という安政柑を食べてみたい。とりあえず、我が家の近所で見かける安政柑は食べない方が無難という結論に至る。

*1:だから安政柑の名誉のため、その時はここに記録しなかった。