蓼食う虫

 たまに通る、とある駅のキオスクではサンドイッチを売っている。夕方行くとここのサンドイッチは大抵パンがぶよぶよになっている。多分パンに塗るバターの量が不十分で、具材の水分がパンにしみだしてしまうのだろう。水分の多い、トマトと卵のサンドなんかはかなり悲惨なことになっていて、パッケージから取り出そうとするとパンがちぎれてサンドイッチが分解してしまう有様。
 しかし、私はここのサンドイッチが妙に好きで、機会がある度ここのぶよぶよサンドを買っている。何かの拍子にここの駅を通ることがあると、あ、今日はあのサンドイッチが食べられるなあ、と考えて少し嬉しくなったりするのです。
 こういう、一般的にはアウトだが、自分は何だか好きで、という食べ物は皆あると思う。しかし、自分はそういう食べ物をわざわざお金を出して得ているのか、と書いているうちに気がついた。何ともまあ物好きな。ちょっと呆れる。