心に老婆が住む女

 高齢者施設で働くようになって今年で5年目なのだが、自分の中に80代後半の高齢者の視点が出来つつあるように感じている。これは仕事上とても役立つものだし、同業者は皆このようなところがあると思っている。
 先日建築物のサイトを見ていたら、凄く素敵な火葬場が紹介されていた。丘になだらかに沿う建物の全景、建物内には中庭が造られていて、明るく清閑な雰囲気の焼き場。思わずウットリ見入る*1
 ああ私も焼かれる時はここで焼かれたいなあ。と思った自分にふと気がつき、さすがにちょっとコレはまずいんじゃないかと思ったのだった。

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 で、今日の話。研修に行き、ロールプレイをすることになった。テーマは「相手の思い出を聞き出す」。まず私が語り手役になる。しかし聞き手役の人は「えー、(私の)年齢がわからない」としきりにボヤき、「小学校の頃って、竹の子族とか流行ってました?」と聞いてきた。竹の子族なんて私が物心つくかつかないかの頃だよ! 何歳だと思ったんだ!ヽ(`Д´)ノ 結構ショックだった。
 研修終了後バイト先に寄ると偶然昔の上司に出会ったので、聞いて下さいよ〜と愚痴ると、「あんた無暗に老成した雰囲気があるから仕方ないんじゃない?」と一言。別件で電話した同輩も「年齢不詳に見えるのはわかる」とほぼ同意。ああそう………。
 しかし、ここでへええと思ったのは上司も同輩も、老けて見える話の後に彼氏いないでしょとか彼氏がいないからとか続けてきたことだった。私は自分の老けぶりは仕事柄かと思っていたのだが、世間的には老けて見えることと色恋は関係していると見なされるのだな、と考える。

*1:この素敵な火葬場の紹介ページはこちら。→風の丘葬祭場