鞄持ち

熊本雑感

 師匠の講演のお供として熊本に行く。3年ぶり?くらいか。熊本市内は道路がやたら広くて建物があまり高くないので、40年くらい昔の雰囲気ってこんな感じだったのかしらと思わせる。道路が広いのは路面電車が通っているからかと思ったが、同じ路面電車が通っている町並みでも長崎はもっと道が狭くてごちゃごちゃしている。熊本のこの造りは広島を思い出させる感じがある。熊本も昔は軍都だったんだろうか? 昔々、熊本在住の人に「熊本の警察と軍隊は全国で一番強かですもん!」と自慢されたことがあったし。

お疲れ師匠

 弟子は熊本の町並みに見とれて考え事をしたりして呑気なものだったが、師匠は5時間喋り通しの超重労働だった。午後、途中から師匠に凄く疲れた様子が出てきて*1、ハラハラした。とにかくできるだけ師匠を休ませるためにはどうしたら良いかを帰りは一生懸命考えたわ*2
 講演自体は結構面白かった。特にゲストスピーカーで現場の人達が話した時はやっぱり内容が鮮烈で、ここが私的な面白さの山だった。

  • 「肥満は恥ずかしいこと」と思っている女の人は結構多いらしい。いや、私も肥満は嫌だが。
  • 田舎でコミュニティの力がまだかなり残っているところと、そうでないところではやり方が変わってくる。現場の人達はそのことを体験的によく知っていて、「どんな風にしたら成功するか?」を考えてかなり工夫していた。これはやっぱり実際にその場で働いている人じゃないとわからないことだよなあと。
  • フロアからゲストスピーカー達に向けられたコメント「なんだか皆凄く楽しそうで…」は、聞いているこちらも嬉しかった。
  • 「健康な人は自分で自分のことをする力を持っている。だから少し援助してあげれば良い。沢山の援助はいらない」とは私の先生の言葉だが、「少しの援助」とは大雑把にしても良いということではなくて、病気の人に必要な援助の手前の段階で十分(丁寧さは同じ)ということらしいとうっすら思った。
  • 「大切な情報だけ流せば良いのに、情報も流す方も何が大切で何が大切じゃないのかわかっていない。大切な情報だけ知れば、健康な人達は自分の力でやっていける」これは師匠の言葉。現場の人達も同じことを言っていた。「健康」の力は凄いなあと思った。
  • データから、データの元になった人達の生活や気持ちを知ろうとすることが必要らしい。なんか凄く大事なことを教えられてるらしい。
  • 礼儀正しくあること・細やかであること・丁寧であること・誠実であること は、どこに行っても必要らしいと思った。ま、どれもこれもまだ修業中でてんで未熟なわけですが。

 別に私自身が特別大仕事したわけでもないのに、なんだか脳の普段使わないところが物凄く動いたような気がして、帰ってきたら凄く疲れた。

*1:風邪気味の兆候もなかったのに、ずっと鼻をぐずぐずさせていた。

*2:ま、下手の考え休むに似たりという言葉もあるわけですが。