頭の中をこんにちは 「アラステア画集」生田耕作、平田雅樹編

 先日購入したアラステア画集に一通り目を通し終える。アラステアの絵は様々な小説の挿絵に使われたものが多く、「彼が小説にインスパイアされて描いた」ものらしい。ビアズリーよりずっと頽廃美濃厚。おどろおどろしくさえあって、一気に全部見ると結構お腹いっぱいに。絵の元ネタとなったいずれの小説も一度は読んだと思うのだが、悉く忘れている。うーむ、もう一度小説の方を読み直してから見直したらもっとうっとり見られるかも。
 ところでこの本、かなり広範に作品を掲載しているにも関わらず「アッシャー家の崩壊」の挿絵が一つもないのは何故かしら。97年の展覧会で見たアラステアの「レディ・マデリーン」はココロに引っかかる絵だったので、当然この本にも掲載されるとばかり思っていたし、「アッシャー家の崩壊」シリーズを見るのを楽しみにしていたのだが……。所蔵主が了承しなかったのかね。「アッシャー家の崩壊」は実は一度も読んだことがなくて、読んでおきたい本だよなあと思いつつなんとなく未だに読まないでいる。シュヴァンクマイエルの「アッシャー家の崩壊」も素晴らしかったし、読まなければ熱再燃。

アッシャー家の崩壊―ポー短編集 (Newton CLASSICS Illustrated)

アッシャー家の崩壊―ポー短編集 (Newton CLASSICS Illustrated)

 また、この本にはアラステア本人の写真と半生に関する解説もついていた。撮影者が日本人なのと、