ドクラマグラ at NAMAZU(天神)

 開演時刻15分前くらいに入ったのだが、先客は3名。前回の公演時より開始時間を30分ばかり遅らせているので、もう少し入っているかと思っていたんだけど……相変わらずですな。ひょいとステージ付近を覗くと、ピアノの上に風呂敷包みが。あらこんな処で風呂敷メイト発見。そして開演待ち中に飲んだ酒が予想外に回って、開演前から早くも煮えてるわたくし。もう馬鹿かと。
 「ドラムの白川君が最近ハマッている曲」というアナウンス付きの曲でスタート。気がつくとライヴでよく聴く曲(「千里眼」という名前らしい)になってた。そこからまた違う曲になり、ああバイオリンの音がきれいだなあ、白くて哀しいなあと思っていると、ベースとギターが「♪でっでーででー」と揃って鳴った。灰色のイメージがボワッと不穏な影を落とす。灰色のイメージと、バイオリンの白い音のイメージとの対比が凄く面白かった。また「千里眼」に戻ってくるとは予想だにしなかったので、不意を突かれた感じ。この後は同じような事態が起こっても、不意を突かれる感じはなかったなあ。
 私の後方に座っていた人が、見えないのかタバコを持ったまま席を立って隣でステージを見始めて、煙いわ灰が落ちないか気になるわで途中大変落ち着かず。吸い終わってから席を立つわけにはいかないのかね? 喫煙者を糾弾する非喫煙者は嫌いだけど、マナーの悪い喫煙者も嫌い。
 休憩時に何気なく後ろを振り返ったら、先刻までいた2人の代わりに倉地久美夫氏が座っていた。凄くびっくりしたわー。「人違う!」みたいな。いつの間にか客が増えて、入り口の前までミチッと人が詰まっていたのにも驚いたわー。
 休憩後一発目は、あれ森川良哉氏じゃね? と思っていた人が前に出てくる。やっぱり御本人だったらしい。急遽飛び入り参加されるそうで。仕事帰りなのか、ネクタイにスーツ姿の良哉氏。何故尺八を持っていたのかは謎だが*1、ネクタイをゆるめ、って……ははは、ワイシャツまで脱いでるよこのひたぁ。しかも下は般若心経Tシャツ。初めて観た時と変わらず一挙手一投足が目を引いて、なんだか凄くプロレス的な人だなあと感心する(褒めてます)。演奏中、お店の兄ちゃんがニコニコしてた。何がそう思わせるのかわからないけど、面白いよねえ良哉氏。
 今回は緩急、強弱の付け方がかなり強調されていたような気がする。酔っ払ってたという私側の事情のせいかもしれないが*2。本編最終曲「ドグラマグラのテーマ」はねちっこい位引っ張って引っ張って、ゆっくり時間をかけて始まったのだけど、何故か辛抱たまらなくなってボロボロ泣くわたくし。(自分が)なんか色々あるんだろうなと思うのだが我ながらワケがわからない。恥ずかしいし。ま、酔っ払ってたということでここはひとつ。ボロ泣きの後、コミカルなアンコール曲で笑って締め。
 ドグラマグラは10年以上続いているのに「誰も知らないバンド」で、でも「これからはこのバンドにかけてみようと思う」とはバイオリン奏者谷本さん最後の弁。「かけてみる」のなら音源出して欲しいんだけど、形になって残っているものがないところが「ドグラマグラ(=魔術、あやかし)」っぽくていいような気もして、なかなかファン心理(ふはは)は複雑。

*1:たまたま持っていたらしい?

*2:酔っている時は、素面の時より色々な物が強調されて感じられるようになるように思う。