観れば観るほど

 ここ数日でDDTプロレスのDVDを3本ばかり観た。
 入場シーンがカットされていて、解説も実況もない第一試合を観ていると妙に頭がクールになり、やはりこういう絵図というのはホモの方にはたまらなかったりするのかしらんとかぼんやり考えてしまう(←馬鹿?)。会場が比較的静かで、選手の息づかいしか聞こえなかったりすると尚更。
しかし、叩かれたり蹴られたり投げられたりして痛い思いをしまくって、しかもそれで生計立ててるわけでもなくて。観れば観るほど、プロレスとは何なのか、ひいては人が生きるとは何なのか思いを馳せて遠い目になってしまうわたくし。
 DVDも面白いっちゃ面白いけどちょっとね、と思っているところ、昨日石井聰亙監督のブログを読んだら、「映画は映画館で観ろ!」と熱く勧めていた。

作者たちの命と血肉を削り誠心誠意創られたる古今東西映画芸術、映画娯楽を、たといそれが【複製物】であろうとも、軽卒に扱い、軽卒に鑑賞したるは、神をも恐れぬ無礼行為、天罰が下るともいた仕方なしの軽挙盲動であるから
ishii sogo's hot dreams(2005年11月22日付)

 映画が映画館で上映され中断なく鑑賞されてなんぼのもんであるのと同様に、プロレスの試合も入場から退場まで含めて1つの完成された「試合」であって、かつその場で体験しないとプロレスはわからないんでしょうあ。会場で観たところで「裸同然の格好でみんなの前に出される男の気持ちがわかるか? たかだか5、6000円払ったぐらいで!マッスル坂井)」なんだから、いわんやツタヤ100円レンタルでをや、か。