ほんとうの私

 この本が出版された頃、私はミラン・クンデラが大好きで、早く読みたいなあとわくわくしていた。で、いつしかクンデラ熱も引いて、何となく小説を一切読まない時期が来て、ようやく今手に取って読了。
 しばらく小説を読んでいなかったからかもしれないけど、地の文も登場人物達の台詞も、言い回しのくささが鼻について、恋人に突然あんな風に言われたら、この人疲れてるのかなあとか思ってしまうなあとか、普通そんな事いうか!? とか、気になったり萎えたりで全然楽しめず。
 表紙カバーに書かれていた人物紹介に惑わされたのも少々辛かった。読んでいけば普通にわかることだし、人物紹介はいらなかったんじゃないか?
 またしばらく読んでいれば、あの言い回しに慣れて面白く感じるようになるかしら。「生は彼方に」「笑いと忘却の書」とか大好きだったのになあ。何だか寂しい。

ほんとうの私

ほんとうの私

笑いと忘却の書

笑いと忘却の書