闘龍門JAPAN下関大会

やあ、行ってきました、遠路はるばる2時間半かけて、下関まで……。下関は閑散としていたけれど、海峡メッセ関連の建物を建てた時に駅前の整備も行ったらしく、侘しい風景を見ずに会場まで行けるようになっている。会場の海峡メッセ下関は、公園の敷地内にあって、大変綺麗な建物だった。


 で、肝心の試合内容。物凄く楽しかったので未来の私のために、少し細かい記録に残すことにする。


EL NUMERO UNO SPECIAL 第7戦 2004/05/09(日)海峡メッセ下関
試合前にキッド・アラケン・土井登場。キッドが悪冠3人の保持するUWAに挑戦表明。キッドが喋るのを生で見るのは初めてだけど、前評判通り大変活舌が悪く、聞いているこちらがハラハラする。途中悪冠の乱入があり、キッドが近藤にマスクを剥がされる。


【第一試合】谷嵜なおき●&堀口元気×菅原拓也望月成晃〇 11分6秒 ツイスター、体固
 谷嵜を生で見るのは初めて。写真で見ると身体は日焼けで真っ黒なのに、髪は真っ白で変な姿だなあと思っていた。もっちーと対峙すると、身体も細いし叩いても音もしないし、全然技が効いてないように映る。しかし逆さ押さえ込みをかけたり、ロープ上を歩いたり、動きも良くて健闘してるな〜という感じで好印象。堀口は入場時のキメのポーズも相変わらず、客を煽るし、場外に飛ぶし、飛んだ時の姿がきれい。 
筋肉メイトは谷嵜を「異常にさわやかなキャラ」と評していたが、私には「やんちゃキャラ」に映った。はしゃいでいるような……。


【第二試合】マイケル岩佐&ダニエル三島×TARU&ストーカー市川● 10分10秒 市川のレフェリー暴行による反則負け
 今回初めて客席よりも高いところに花道を作ってあるタイプの入場を見たのだが(私はリングを挟んで花道と反対側の座席にいた)、フロリダブラザーズ入場の時は客が花道の下から手を差し伸べるのがたくさん見えるのに、タルさん入場時にはほとんどそれがなくて笑った。やっぱり見た目が怖い*1せいかねえ。
 試合前のアナウンスでは「ストーカー市川選手は、C-MAXに見放されたため欠場です」と言われていたので、以前もそう言って出たし、まあ出るだろうなと思っていたら、市ちゃん小包を抱えて登場。タルさんをそれで買収してタッグマッチに変更しようと持ちかけるが、断られ、菊池リングアナを買収、タッグマッチに変更になる。
 八木レフェリーも交えた、数珠繋ぎ腕ひねり(?)にヘッドロック、パントマイムで作る壁対決、笑いっぱなし。途中見えなかったのだが、観客の子どもが場外のダニエルにちょっかいを出した?か何かで、レフェリーが子どもを注意している間に、リング上では恒例の椅子トスが始まり、ダニエルがレフェリーの背中を殴打、フロリダとタルさん急いでリングアウト。痛みに顔をしかめて八木さんがリングを振り返り、残った市ちゃんが反則をとられて負け。フロリダとタルさんから3人がかりのキックをくらったり、何だか胸が痛む場面もあったが、腹に書いた「再生」のとおり、頑張って再生していただきたいと。祈。


【第三試合】YOSSINO〇×高木省吾● 2分35秒 ソル・ナシエンテ
 互いにセコンドをぞろぞろ連れて入場。以前見た時、「なんだかよくわからんけど、面白くない*2…」という印象を受けたジェットがピンでの試合なだけに、親戚の出来の悪い子を見る時の心境というか、大変心配な気持ちに。ジェットはパンチでヨッシーノを攻めるが、コスチュームの鎖の音がチャラチャラ響くばかりで、なんだか微妙な雰囲気の静けさが漂う。そのうちパンチを繰り出す時に「ウ〜ウ〜ウ〜」という効果音(掛け声)が入っていることに気づく。ネットの速報見ると、どうも悪冠セコンドが言っていたらしいのだが、この掛け声がなかったら、もっと微妙な雰囲気になっていたこと間違いなし。結局、ヨッシーノがソル・ナシエンテでピン。
 しかし、ヨッシーノは女性に人気あるのね。ピンチに陥る・好機の度に女性の声援がばんばん飛んでいた。


【第四試合】横須賀享〇×スペル・シーサー● 14分8秒 横須賀カッター、片エビ固め
 享好きの私、初めて見る享ピンのこの試合を大変楽しみにしていた。しかし、業師対決と書かれたこの試合、グラウンドが多くて、私は席がかなり後ろの方だったためにほとんど見えなかった。享がシーサーの左脚を狙って攻めているの
はわかったけれど……。「おっしゃいくぞー!」とは言うものの、享は客をあまり煽らない。コールも地味目。表情もほとんど変わらない。淡々としているというか……。試合前も後もシーサーと握手を交わしたりして、スポーツマンシップに溢れた爽やかさ。好きな人は好きなんだろうけど、うーん、私にはちょっと物足りない。ヒール時代を見てみたかったなあ。このポーカーフェイスで相手を箒でぶっ叩いて、ついでにリングの掃除までしていたのかと思うと、考えただけでしびれる。ふてぶてしく、不敵で、そのくせ憎めない、さぞや魅力的なヒールに映ったことだろう。


ここ
で休憩と思いきや、突然流れる「TOKYO GO」。はあ?と何が何だかわからないでいると、花道にはもうわんさか客が集まって手を伸ばしており、その間を歩いてくるマグナムの姿が! 観客の反応の速さに感心する。マグナムは何しに来たんだと思ったら、何だかよくわからんが、リング上で菊池アナと知らない男性と3人でトークショー開始。声が反響するのか何なのか、声が物凄く聞き取りにくく、トークショーなのに何を言ってるのかほとんどわからなかった。ダンスを踊る約束をして退場。今度こそ休憩かと思いきや、今度はフロリダが出てきてスカパーの宣伝。今スカパーに入れば、選手のプライベート写真をつけると宣伝。何か相変わらず、尻がむず痒くなるような特典つけるなあと思ったりする。


【セミファイナル】アン
ソニー・W・森●&ミラノコレクションA.T.×ドン・フジイ〇&CIMA 12分35秒 ナイスジャーマン
 先にC-MAX入場。CIMAが最近のフジイさん連勝を称える。「ほら、肌の色ツヤが違う!」とCIMAが言うと、フジイさん、ボディビルダーのキメのポーズで応え、会場からは笑いが起こる。更にCIMAは続けて「最近の
ミラノには輝きがなくなっている。フジイさんには悪いけど、今日はアイツと俺のシングルマッチでいくから!」みたいなことを言う。CIMAのリングコスチュームは魅せるねえと思っていたら、ミラノの入場はもっと派手で、モデルを3人連れて入場。しかしモデルウォークの途中で、CIMAがミケーレを強奪、散歩綱を半分に曲げて観客席にブン投げる。享が回収して行った。CIMAがミケーレを強奪した時「あっ、ミケーレが」、ブン投げた時も「ミケーレが!」、享が回収しに来た時も「ミケーレ…」、という声が客席から口々に飛んでいたのがおかしかった((その後、別の観客の話によると、リング下で享はミケーレにコールドスプレーをかけたり、水を飲ませたりしていたらしい。芸が細かい!))。
 基本
的には、王子がフジイさんに素晴らしくやられっぱなし。CIMAはミラノにちょっかい出していたけど、マイクで言ってた割に長い絡みもなく、ブリッジで相手の技をかわす際のミラノの体の柔らかさと手足の長さに驚嘆したくらいか。途中、CIMAが王子にパラダイスロックを決めようとするが、もたもたと手間取って、全然決められず、「わかんねーんじゃねーかよ!」とミラノが文字通り(体ごと)CIMAにツッコんでいた。結局フジイさんが王子にナイスジャーマンを決めて試合終了。冒頭のCIMAのマイクは何だったんだ? 今後の展開に繋がるのだろうか。
 

【メイ
ンイベント】UWA世界6人タッグ選手権 王者組:”b”YASSHI&近藤修司●&大鷲透×挑戦者組:セカンド土井&新井健一郎ドラゴン・キッド 19分2秒 ウルトラ・ウラカンラナ
 
王者組のコールが終わらないうちに挑戦者組が攻撃開始。珍しいねえ〜と思うが、試合はセコンドの妨害に場外乱闘も含め、王者組優勢の印象。近藤とブラザーの連携技って息の合った大小コンビという感じで、見ていて楽しい。ていうか、普段もっちーに目を奪われがちで気づかなかったんだけど、この3人っていいキャラしてるのね。この試合を見て、もっちー加入前のはぐれ軍団だった頃の方が、それぞれが映えて良かったんじゃないかという気がする。
 場外
乱闘は見えなくて、何が起こっているのかやきもきしたが、挑戦者組は誤爆を誘ったり、土井の健闘も光って、ついつい引き込まれて手に汗握る。何度か2カウントで返したり返されたりがあって、最後はキッドのウルトラ・ウラカンラナで決着。挑戦者組が新王者となる。良かったねえ、あんたらベビーなのに、3人しかいないし、新はぐれ軍団とか呼ばれて、切ない立ち位置だったもんねえ……と、喜び合う3人をしみじみ眺める。が、試合後のマイクもキッドはかみかみ、「UWAウェルター……」とかベルトの名前を間違えて、アラケンに耳打ちされたり、盛り上がっているこちらの気分が急速に醒めるようなマイクパフォーマンス。あまりの活舌の悪さに、ネタか?と思っていると、これまた鳴り響く「TOKYO GO」、マグナム登場……と思いきや、キッドマスク6人(Do&イタコネ&2代目サーファー)登場! 先日のエルヌメロウノ優勝の際のこともあるし、マグナムが出てくるのは予想範囲内だったが、キッド増殖は予想外。マグナム「キッド、本当におまえに最後は任せられないなあ。優勝を祝ってダンスを踊ってやるよ」みたいなことを言う。その間、享がキッド登場の時によくやる仕草をずーっとしていたのがおかしかった。で、マグナム以外のメンバー、キッドマスクを脱ぐとアラケンと土井に渡し、ダンス開始(2代目サーファーはダンスに加わろうとして、マグナムに「おまえはDoじゃねえだろ!」と頭をハタかれて見学)。客席は総立ち。キッドはダンスに加わるのを嫌がって、コーナーポストに座り、アラケンと土井はキッドマスクをかぶってリングのすみっこに立っている。しかしエルヌメロの時同様、途中からバック宙でダンスに加わり、ぎこちない動きで踊る。アラケンは踊っていなかったが、途中の一部のフリ(頭上で手を♪いーとーまきまき、みたいに回すやつ)はしていた。
私は真正面からダンスを見たのが初めてで、みんな上手ねええ〜とおばちゃんのように感心して見ていた。私の隣客は、デヴで、チョイハゲで、眼鏡かけて独りで見に来てるという、絵に描いたプロレスオタクみたいな人だったのだが、この人がメインの途中から大盛り上がりで、ダンスの際には今にも踊りだしかねない勢いだったのが微笑ましかった。
帰り、ああ楽しかったな〜、なんて考えていると、同じく観戦帰りと思しき男性二人組が、「この前のスターレーン((UDGがマグナムからスワに移動した試合))の時も楽しかったけど、今回はもっと楽しかった。あの時を上回る体験がこんなに早くできると思わなかった」と話していて、心の中で大きく頷く。下関まで来るのはお金も時間も馬鹿にならないけど、はるばる来て良かったと思っ
た。

*1:の時は毛先が金髪のドレッドヘアにいつものマスク、バットを持っていた。おそらくカラーコンタクトも装着済みだったでしょう。

*2:こういう印象のことを、プロレス業界ではどうも『しょっぱい』というらしい