世間は狭い

中村哲医師、銃撃され死亡 アフガン東部、同行5人も共同通信

アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードで4日、同州で農業支援などに取り組む福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表、中村哲医師(73)らが乗った車が武装した男らに銃撃され、中村さんが死亡した。日本政府関係者が明らかにした。州報道官によると、中村さんのボディーガードや運転手ら5人も死亡した。

 何だかもうガッカリしてしまって、帰宅してすぐ寝てしまった。

 中村医師のドキュメンタリー「武器ではなく、命の水を」はとても面白いドキュメンタリーだった。一医師が「住民の健康状態を改善するには栄養状態の改善が必要」と、自ら重機を操作して灌漑水路を作ってしまう。灌漑水路造設には「現地の住民が自分たちで直せる技術で作ることが必要」と、日本の古い技術『蛇籠』を用いている。

 現地の必要性に合わせて、自分の専門分野を軽々と飛び越えること。現地のニーズと状態に徹底して合わせ、自活できるように支援すること。その柔軟さと軽やかさ! この2点で思い切り私のツボを突かれた。

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 外科か小児科、もしくは公衆衛生の医師なのかと思っていたのだが、なんと精神科の医師だったらしい。そして、国の事業で派遣された医師なのかと思っていたら、「元々は趣味の昆虫採集でアフガニスタンを訪れたのがきっかけで」支援に繋がったらしい。

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 なんか呑気なきっかけだなあ。でも、人の運命って、そんな成り行きで回るものなのかもしれないなあ。やってることは物凄いんだけど。

 そして、今回のニュースを知るまで私はペシャワール会が福岡にあることを知らなかった。中村医師がいた施設は、私には馴染みのある場所ばかりだった。ドキュメンタリーで『蛇籠』を見た時に(あれ、これ見たことあるぞ)くらいの印象しかなかったのだが、筑後川の護岸工事に使われていた技術であるとのことだったので、それで見たことがあったのだろう。遠い国の話だと思っていたことが、一気に自分の中にあるものに結び付けられて行くのが不思議な感覚だった。