君の名を何と呼ぶべきか?

 日雇い仕事の始業2時間前、私はいつも車の中で仮眠をとる。今日も眠っていると、窓ガラスに胴体が映った。そして、赤い線の入ったスニーカーを履いた足も見えた。どうもその人は、車の屋根によじ登ろうと試みて、上手く行かなかったようだった。徒に車を傷つけられてはかなわない。一言注意してやろうと相手をよく見ると、その人はオジー・オズボーンだった。登れないと諦めたのか、彼は車に背を向け、立ち去る態勢に入っている。慌てて声をかけた。
「オジーさん、オジーさん!!」
 声をかけてから、『お爺さん』みたいだなこの呼び名。と思う。

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 イントネーションが違うから「お爺さん」ではないけど、「オジーさん」は何か変だよな。どう呼んだら良かったのだろう。半日くらい考えて「オズボーンさん」と呼びかけたら良かったのではないかと気がついた。