八十八ヶ所巡礼 at CLUB ROCK'N'ROLL (名古屋・新栄)

 ついに八十八ヶ所巡礼を観に行ってきた。着替えのTシャツも用意していたのに、仕事が長引いて*1、会場に辿り着いたのは開演時刻5分過ぎ。会場は1階にあるライヴハウスなのに、今時二重扉じゃないので音がダダ漏れ。「絶妙Σ」が聴こえてくる。げげ、始まってるじゃん! 入ってすぐがバー&ラウンジで、右折するとフロアに降りられるようになっている。バー部分まで客がみっしりで、ステージの花道?みたいなところに出てくるまで、マガレ姉さんは全然見えなかった。勿論ドラムの人は最初から最後まで見えなかった。暴れる気満々で行ったのだけど、仕方がないので荷物を抱えてムズムズしながら鑑賞。

  • 久しぶりにライヴらしい音を聴けてなかなかに満足。ちょっとした音のズレや音の荒さ、アレンジの妙、こういう音の揺らぎにライヴは魅力があるんだよなあと再認識しつつ「ライヴだああ! 今ライヴに来ているんだああ!」とライヴに来た喜びをしみじみ味わう。
  • 「SYG88」「霊界ヌ〜ボ〜♨」あともう一曲?をズタズタにして混ぜて演奏していた。「SYG88」のグルーヴが大好きなのでちょっと勿体無かったけど、こういうアレンジが聴けるのはまさにライヴならでは! 目尻下がりっぱなし、口角上がりっぱなし。
  • どうもツアーの先々で、そこの土地に合わせたカヴァー曲を披露しているらしい*2。「名古屋出身のバンドと言えば?」と姉さんに振られたフロア、一瞬沈黙した後「サッズ!」「黒夢!」。それ、岐阜じゃね? ちなみに私が即思い出したのは原爆オナニーズ、次にTHE STAR CLUBだった*3。しかしもういい歳なのと地声が通りにくいので原爆オナニーズッ!」と叫ぶ勇気は出なかった。ヘタレ。
  • 「名古屋出身のバンドと言えば?」の後始まったのはBJCの「赤いタンバリン」。悪くないけど、BJCなら「ロメオ」とか合ったんじゃないかなあ。あと、今回といい話に聞くカヴァー曲ラインナップといい、選曲のセンスがアラフォーっぽいんだよな*4。メンバーは絶対私より年下、多分アラサーくらいだと思うんだけど、どうしてこういう選曲になってるんだろう。年上のきょうだいでもいたんだろうか。
  • ギター・カッちゃんの陶酔ぶりが徹底していて清々しい。しょっちゅう昇りつめるように上体を仰け反らせ、指さしで客を煽る。勿論これらのパフォーマンスはステージの花道でも度々。さらに花道に出てきてフロアをねめまわす時には、ちゃんと180度視線を送る。仕事丁寧だな! 意図的なのかはっきりとはわからないが、下から風を当てており、髪が度々フワーッと巻き上がってPVの映像みたいだし。徹底した仕事ぶりに何度も笑ってしまう。今まで陶酔系パフォーマンスのギタープレイヤーと縁がなく、しかもあんまり好きじゃなくてちゃんと接する機会がなかったので、なかなか新鮮。
  • 最後の方でマガレ姉さんの御姿をようやく拝めたが、ボサボサのセミロングおかっぱ頭+顔面にマッドメン(諸星大二郎)ぽい化粧+絞り染めキャミワンピから覗くタトゥだらけの両腕 で、土着神への供物か妖怪が憑依したかという雰囲気だった*5。というか、この人は両腕のタトゥが妙に痛々しくて、顔面に化粧しなくても供物っぽいというか、犠牲者っぽい雰囲気があるんだよな。同じ「腕にタトゥだらけ」でも、強面の中村達也らとはえらい違いだ。痛々しく見えるのは細いせいだろうか?
  • 「親の言うことはきけ!」「貴様らは愛国者かー!?」という姉さんの煽りを苦笑交じりで見物。「君が代」とか歌ってるし……。音楽の持つ力って物凄く強いから、冗談にしてもこんな形で使って欲しくないわ―。

 鼻歌を歌いながら帰路。来月はマラソン大会直前なので行かないつもりだったのに、行きたくなってしまった。今度こそ、最初からフロアで揉みくちゃになりながら観たいなあ。その時に「苦苦★念仏」を聴けたら最高だなあ。こういうヘヴィ―メタルやプログレ系のカラーが強い音を元々それほど好きではないので、自分のこのバンドへの嗜好が何をもたらすかと思いつつ、自分の経過を見守っている。

*1:今の職場は祝日も殆ど通常営業。今日が三連休の最終日だとは帰りの電車が空いていたので気づいたような有様。

*2:京都ではくるりの「青い空」を演ったとの風の噂。

*3:名古屋ってコテコテのパンクスのイメージあるし……。

*4:BJC、ゆらゆら帝国くるりマルコシアス・バンプなんかを演っているらしい。

*5:今「絶妙Σ」のPV見るとあんまり変わってなかったので、今はこういう格好でやっているのかもしれない。