夜行バスで入眠中

 球形をした、灰色の大きな素焼きの壺を回していた。受け取り、他の人に回す時に順番を言わねばならない。はっきり大きな声で言う方が良いんだろうけど、なんだか照れてしまってあまり声が出ず「10!」と言いながら右隣の人に壺を大きくかざした。
 ……ここで、自分が今夜行バスの中で寝ていたことを思い出し「あー、声出ちゃった、手も振りかざしちゃった……」とじんわり後悔するが後の祭り。あと、寝ている時に物凄い振動で目が覚めて「なっ、つ、ついに大地震来た!?」と慌てることもあるんだけど、スピードが出過ぎないように段差をつけてある道路を走っているだけだったことも。いつの間にか随分車中泊し慣れてきている。