ステーキが食べたい

 時々無性に肉が食べたくなる。そういう時に食べたくなるのは決まってステーキ。肉の塊をモギュモギュ噛みたい! ハンバーグじゃ足りない、焼肉でも足りない。噛みごたえのある肉が食べたい。「肉食べてる!」という実感が欲しい。
 ここ数か月「ステーキが食べたい」と思い続けてきたのだけど、とうとう辛抱たまらなくなり、最寄駅から徒歩1キロ先にあるステーキチェーン店に行った。日曜の夜なので混んでいることを覚悟していたが、意外に8割くらいの客の入り。
 サラダバー、デザート、パン食べ放題付き、ビールも頼んでトータル2000円程度。安いなあ。肉は程よい噛みごたえ、程よい脂の乗りっぷりで美味しかった。肉と一緒に焼き石が運ばれてきて「これで焼きつつお召し上がり下さい」と言われたことには微妙に不安になったが。ミディアムレアのまま食べたら駄目なの? エイジドビーフだったので、焼かないと(食中毒的観点から?)まずいんだろうか。
 ところで、4人掛けの席に座って一人でモギュモギュ食べている間、隣のテーブルに座った子ども(多分3歳くらい?)が物凄く私を凝視していて参った。あんまりじっと見ているので、母親から「他人からそんなに見られたら嫌でしょう?」とたしなめられていたほど。子どもは意外に保守的な面を見せることがあるが、そんなに風変りに見えたかね。君も30年後にはシレッとこういうところへ来れる立派な大人になれよ……と内心エール。要らんか。
 帰り、ほろ酔いで気分良くぶらぶら帰る。ふらり〜ふらりと〜、とかいつの間にか口ずさんでいて、これじゃあヨッパライそのまんまだと思い返したり。あらやだ。
 しかし、こんな大人になるとは思いもしなかったな。