風呂場の蜘蛛と蛙

 朝方帰宅すると、昔働いていた職場の同僚が我が家にいた。泊まる約束になっていたので、別段不可解にも思わずトイレに入ると、風呂がトイレと同室にあって、浴槽にお湯がなみなみと溜めてある。昨日私が帰宅すると思い、湯を抜かなかったらしい。私いつもシャワーなんだけどな。浴槽掃除しないといけないじゃん。忌々しく思いながらトイレに座っていると、蜘蛛が天井からぶら下がっているのに気がついた。脚は短くて太く、腹はでっぷりと丸い。晩秋の蜘蛛は大きいよなあ。蜘蛛が私の下に落ちてこないよう、近くに来たらフッと息を吹きかけて遠くに押しやりつつ、トイレ。よく見ると浴槽の上に大きな蜘蛛の巣が張られていて、そこに緑の雨蛙が引っかかっていた。雨蛙は時々弱々しくもがくが、蜘蛛の巣からは逃れられそうにない。蛙がかかる蜘蛛の巣って凄いな。蜘蛛がこちらに来ないように対応し続けていたのだけど、予測を誤って私の上にポタリと落ちてきそうに!なったところで目が覚めた。