「今日は一日ダンスミュージック三昧」を聴いた

 この告知を最初見た時、随分広いテーマだと思った。黒人のソウルミュージックもそうだろうし、ディスコもそう。レゲエやテクノやブレイクビーツ、ワルツだってタンゴだって炭坑節だってダンスミュージックだろう。これだけ広範囲にわたるテーマでどう曲構成するつもりなのか、全然予想できなかった。しかし、前回の三昧を聴いて「どうもパーソナリティの嗜好やバックグラウンドに合わせて番組の曲構成は決められるらしい」と薄々わかったので、1980年代のダンスミュージックばかりな曲構成に特別怒りが湧いたりすることはなかった*1
 以下、思ったことなど。

  • ダンスミュージックというのは単なる音楽鑑賞時以上に「自分の肌に馴染んだ音楽であるか否か」がはっきり出るものだと思った。
  • 初めてグッチ裕三トークをちゃんと聴いた。「黒人になる!」と決意して外人だらけのハコで演奏していた、泥臭いのがカッコイイ好き! パフォーマンスまで完コピしていた……という話を聞いて、彼のパフォーマンスが何故あんなに過剰なのか、よーくわかった。
  • グッチさんのかけていたソウルミュージックは濃過ぎて私は全然受け付けなかった。ガイジンの食い物だこれー! と思った。
  • グッチさんのトークはとても面白かったけど、ミミヨが描いていた通り物凄く偉そうな喋り方だった。どうしてあんなに偉そうな喋り方なのか不思議。

せしぼん!―ミミヨの「お答え」

せしぼん!―ミミヨの「お答え」

  • 何となくテレビのBGMで耳にしていた曲が結構あった。今の40-50代には懐かしい曲だったのだなと知る。
  • 御年36だというNHKアナウンサー小松さんと高頭さん(43歳)という人が互いに「これぞダンスミュージック!」という曲を選んでかけ、パパイヤ鈴木(46)にどちらが好みか判定してもらうというバトル・コーナーがあった。ダンスミュージックが身体の馴染み具合と直結した音楽である以上、審査員パパイヤと同世代の高頭さんが最初から圧倒的に有利だろ。こんな最初から予想のつく勝負はつまらないと思ったが、小松さんの飛び道具的選曲に大いに笑わせてもらった。カイリ―・ミノーグはともかく、女王蜂にジンギスカンって! 予想外の健闘だよ小松さん!
  • 女王蜂「デスコ」OA中に彼らの動画を小松さんから見せられていたパパイヤ鈴木の「ここまでして勝ちたいんですか?」という、当惑したような不快そうな発言に更に笑った。確かにこれはタイトルが「デスコ」なだけで、ダンスミュージックじゃないと思う*2
  • 「デスコ」を初めて聴いた。格好良かったけど、パンク以降のロックはつくづく私の肌に馴染んでいるのだなと思った。違和感なく入ってきたもん。

*3

  • マイケル・ジャクソンの偉大さを垣間見る。私は彼のポップミュージックの側面しか知らなかったんだな、と。
  • 和物ダンスミュージックとして、全然踊れそうにない浅野ゆう子の曲がかかる。これまた笑ってしまう。
  • 番組終盤、曲がかかるたびに「懐かしい」「懐かしい」連発で、読み上げられるリスナーコメントも賞賛ばかり(40代以上が多かった)の一方、前述の通りTLは怒号と怨嗟で一色になっており*4、実に対照的であった。批判コメントは一切取り上げないって、独裁政権下の報道統制っぽくて気味悪いなあと思っていたら、チラッと触れた。多分批判をどう取り扱っていいのかわからなかったんだろうけど、何だかなあ。

番組構成について

 前回、今回と聴いて、一人のパーソナリティで1つのジャンル全てを網羅するのは無理があるんじゃないかとつくづく思った。多分偏った構成に不満が出ることは曲構成をしたパパイヤ鈴木も十分承知で、だからこそ番組開始時に「(古い曲でも)初めて聴く方にとっては新曲なんですよ。だから今日は覚えて聴いて欲しい」と釘を刺したのだと思う。それでもここ20年のダンスミュージック丸無視では、そりゃクレームも出るだろ。リクエストタイムにアイアンメイデンとスミスをサクッとかけてクレーム対応した前回の特集よりひどい。
 もう、前半後半でパーソナリティーを変える・または専門が異なるパーソナリティを2人準備するか(どうせNHKアナウンサー1人とゲストパーソナリティ2人という構成で番組やるんだし)したら良いんじゃないかと思った。あと、パーソナリティと毛色の違うゲストを呼ぶのはアリですね。前回のブリティッシュ・ロック三昧はゲストなし、今回はゲストありだったんだが、ゲストが選んだ曲が入ることによって曲構成が変わるので断然面白かった。

*1:90-00年代のクラブサウンド、テクノ丸無視な構成に、TwitterのListでは前回のブリティッシュロック三昧以上の怒りと怨嗟が笑えない感じで並んでいた。確かに「最新の」と番宣では謳っていたので気持ちはわからんでもない。

*2:実際、wikipediaを見るとダンスミュージックというカテゴライズはなされていない

*3:その後いくつか他の曲の動画も見た。椎名林檎が歌ったらドハマりだろうなと思った。

*4:老害!」等、相当キツイ言葉も出てた。