「グリーン・ホーネット」

 元はTV番組、漫画化されたこともある作品で、ブルース・リー出世作として名高い作品だったらしい。観終わった後、偽兄と会長に教えられてそのことを知った。なるほど、だからマンガみたいな映画だし、昔々の作品のリメイクだから相棒の中国人(上海生まれの上海育ち)の名前はカトーなのか。当時の作品なら日本と中国をちゃんぽんに扱っているのも無理のないことだわ。主人公が呼び出される居酒屋の名前は「ゴンパチ」だし、注文するお酒は日本酒なのに、内装は露骨にチャイニーズレストランなのも当時のリメイクだからなんだろう*1
 主人公がカッコ悪く、最初から最後までずっと弱々のまま口だけ達者なのが新鮮であった。相方がピンチになっても真っ先に逃げ出すし。ヒーローならそこで覚醒して相方を助けるもんだろ! プロレスにて、ダイビングボディプレスを避けるのを初めて見た時のような衝撃だった。
 しかし、陰鬱にならない爆発と人死にを見たいという私の希望は存分に叶った映画であった。吹っ飛ぶ車! 潰される人! ビルをバキバキ破壊しながら、エレベーターで昇る車! 予想以上に爆発してる。そして、ばさばさ人が死んでいくのに、血が出るシーンが殆どないのがまた漫画的で印象に残った。最後の最後だけ出血があったので「?」と思ったが、これは理由があったし。
 疲労で頭が焼けついているような今の状態によく合い、楽しく観られた映画だった。あと、この映画は3Dだったのだが、別に3Dでなくても良かったような気もする。スクリーンから1mくらい浮き出しているようにしか見えず、立体的に見える感動は取り立ててなかった。

*1:しかし、米国上映を念頭に入れて作られたであろう「鉄男 THE BULLET MAN」に出てくる「日本家屋」はあからさまに中国の民家だったので、今も米国における日本と中国のイメージは結構混ぜこぜになっているような気もする。

鉄男 THE BULLET MAN 【2枚組 パーフェクト・エディション】 [DVD]

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