最近私を仰け反らせた少女漫画たち

リョウ

 「源義経が女だった」という設定で現代と鎌倉時代にまたがるお話。人の生死の切なさとか棟梁の覚悟とか、屍を乗り越えて行くような迫力とかをまるで感じられない武将たちに腰が砕けるワタクシ。家も部下もかなぐり捨て「何もかも要らない、ヒロインだけいれば良い!」という求められ方って、ある年代の読者には、たまらんほど痺れる展開なんだろうなあと思った。

リョウ 1 (集英社文庫(コミック版))

リョウ 1 (集英社文庫(コミック版))

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 競技ダンスの世界の華やかさ、ルール、そしてダンスの世界の人間関係*1が描かれていて面白かった。先日の冬季オリンピックの際、某フィギュアスケートの選手がコーチとペアリングをしているとの報道を聞いた時、何だか違和感を覚えたが、この漫画はその違和感に、ある種の説明を与えてくれたような気がする。そして、運命の男性と結ばれるヒロインと、その後の二人の顛末。80年代にもこんな少女マンガがあったんだ! と感嘆・満足したところで、最後のどんでん返しに思いっきり仰け反った。今まで積み重ねた展開は何だったんだ!? と思わせる物凄い結末。本当に油断がならないったらありゃしない。車田正美の漫画みたいだ。

PARTNER 1 (フラワーコミックス)

PARTNER 1 (フラワーコミックス)

昔話と後書き

 私は漫画好きだが、自分で漫画を購入したことがあまりない。父が読む漫画を私も一緒に読んでいたので、幼い頃から少年〜青年誌の漫画ばかり読んできたように思う。そのため少女マンガに触れる機会があまりなかった。友人宅にあった「りぼん」や「なかよし」は読んでいたが、巻号が飛び飛びなので、必然的に連載物の恋愛漫画は読んでも話がわからず、ギャグ漫画や「有閑倶楽部」などしか印象に残らなかった。
 ところが、現在の職場に勤務するようになって、他職員が持参する少女マンガを大量に読む機会を得た。三十路になって、ようやく起こった少女マンガとの出会い。三十路じゃなくて10代の頃に出会っていたら、きっと仰け反ることなく夢中になって読んでいたのではないかと思う。出会う時期が悪かったなあ。何でもそうなんだろうけど、生物の臨界期のように、漫画にも出会うべき時期というのは確実にある。
私が「10代というか、小学生のうちに読んでおきたかった!」と未だに悔しく思う漫画。↓

わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)

わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)

漂流教室 1 (ビッグコミックススペシャル)

漂流教室 1 (ビッグコミックススペシャル)

*1:ダンスのパートナーはきょうだいか夫婦の場合が殆どだとか、女性はパートナーを変えることが許されていないとか。