久しぶりに悪夢らしい悪夢

 今の私の状況について、酔った父に懇々と諭されていた。適当に聞き流しつつ聞いていて、ふと気がつくと私の脇に祖父がいた。3年前に彼は亡くなったが、全盛期の姿格好で私の隣に座っている。こちらを見ず、何も話さず茶を飲んでいるが、どうもその気配から察するに父の言う通りだと思っているらしい。まずい。
 「正月は随分好き勝手したらしいじゃないか」と祖父は一言言った。特別だらしない生活を送った自覚はないが、ここで迂濶な返事をするともれなく怒りの鉄槌と怒号が飛んでくる。ビクビクしながら、ハイ、甘えさせてもらいました……とか答える私。胃がキリキリしながら目が覚めるとまだ5時半だった。
 最近見る悪夢は、悪夢ではあるがそれはどこか夢の感覚があり、私は恐怖や苦しさを夢として楽しんでいた。しかし今回の夢は妙にリアルというか、楽しさのかけらもない。こんな形で祖父の夢を見たと家族に話したら、そら見たことかと言われるのも目に見えてるから話せない。妹は折々で祖父の夢を見るらしいが、私は初めて。しかもこんな夢。むー、何だか無性に悔しい。そして焦る。