女子力について思フ

 本日、職場(高齢者施設)にて、湯上がりの利用者さんの部屋を訪室したところ、彼女はベッドに臥床して休んでいた。入浴して疲れたのであろう、しかし私は彼女を起こしに来たのである。申し訳ないような気持ちで声をかけると、意外にも彼女は起きることにあっさり了承してくれた。しかし起こそうとすると「待って」と言う。
「お風呂上がりだから、先に眉を描かせて下さい」
 手鏡を持って一生懸命眉を描き始めた彼女を見て、感銘を受けることしきりのワタクシ。入浴後の心地よい疲労感は、80代以上になるとぐったりするような強い疲労として感じられるらしい様子を往々にして見る。恐らく彼女も疲れているはずなのだが、それでも眉を描くことは欠かさないのだ。私が彼女だったならあっさり疲労に屈し、眉描く手間を惜しんで寝ていることだろう。彼女の女子力の高さ、または自分の女子力の低さについてしみじみ思いを馳せる。そして、以前「無人島で遭難したならば持っておきたいもの」について話していた時、毛抜きを持っていきたいと言った友人のことを思い出す。発見された時に産毛がボーボーだったら恥ずかしいから毛抜きを持って行きたいらしい。その時は訳がわからん返答だと思っていたのだけど、この回答がよくわからないと感じるのも私の女子力の問題なのかもしれない。