ノイズの王様に占われてきた
今回の大阪行きが決定した時「よし、占いに行こう」と思った。今、ノイズの王様が大阪に占いの店を開いている。そこへ行こうと思ったのだ。私はここ8年くらいの間、この人が書く文章の愛読者で、占いを始めたと聞いた時、機会があれば一度受けてみたいと思っていた。昨夜兄さん(偽)に話し、声を上げて笑われたのはこの話。まあ笑うよねえ。「King of noiseに占われる」って、私自身も可笑しいもの!
「当たるの?」と兄さんが訊くので「御本人は『当たる』って書いてましたよ」と答えたら更に笑われる。そりゃ占う当人が『当たりません』とは言わないわな。しかし当たろうが当たるまいが、顔が弛む。可笑しいやら嬉しいやらで久しぶりにごたまぜ。
9年ぶりに心斎橋に行き、占いの店はかつてのアルケミー・ミュージックストアであることに気がつく。あの時マゾさんが店番していたレコード屋さんは、今はホークウインドや森田童子のCDがディスプレイされ、オレンジがかった小部屋になっている。時の流れを感じて、少々切なくなるわたくし。
初めて会った王様は、思っていたよりも小さく、思っていたよりも太ってなかった。そして私は緊張が落ち着くまで、手に生えた毛ばかり見ていた。色々訊き、色々教えて貰い、話して笑って、和やかに1時間終了。今回体験してみて、占いというのは独特の理論体系を持っているのだとつくづく実感した。私の仕事も達人達の仕事ぶりは、初心者が見ると「どうしてわかるの!?」とまるで魔法のように見える仕事である。しかし、それは実はきちんと理論があり、仮説と実施は理論に則って動いている*1。多分それと同じで、占いにも定石の理屈があるのだろう。その理論に則って動くから「当たる」し「うまく行く」のだ。今自分が把握している価値や理屈のパラダイムでうまく行かないなら、全く異なる価値と理屈のパラダイムに則って動いてみることは面白そうだし、やってみる価値は充分あると思った。
終了後、どんなことを言われたか兄さん(偽)に報告したところ、兄さんは笑い面白がりつつ*2、即行で占いの予約を入れていたので非常に驚いた。兄さん占いとか鼻で笑う方だったじゃん! 驚きのあまり理由を問うと「凄く適切で真っ当な指摘をしていると思ったから」らしい。当たろうが当たるまいが、占いは興味のない人に勧めるものではないから、一切勧めなかったのに。兄さんの行為に驚き、同時に、兄さんも色々大変なんだなあと思いを馳せたりなんだり。