前売と予約(郷に入っては郷に従え)

 ライヴのチケットは前売券と当日券が出る場合が多く、前売券は当日券よりも500〜1000円程度安く設定されている。前売券が完売の場合は当日券がでないこともあるので、行きたいライヴは前売券を購入しておく方が良い。関東在住の頃はプレイガイドで前売券を購入していた。しかし福岡に来てから私が行くライヴの多くは、プレイガイドでの前売販売がない。そこで予約サービスを用いてチケットを前売価格で入手している。このサービスは、ライヴの告知に示された連絡先に連絡を入れると、ライヴ当日に前売券の値段で入れる非常に便利なサービス。予約を入れる際には、名前だけを伝えて予約する、しかも本名に限らずハンドルネームで予約する人もいるようだ。お金は当日支払いがほとんどで、前払いや預け入れ金のようなものはない。
 今回、とあるライヴの前売券を予約しようとしてライヴ告知のHPを見てみた。ところが、予約どころか前売券をどうやって入手すれば良いのかさえ記載がなくてわからない。どうすればいいんだこれ。前売が欲しいなら、直接お店に行かないと駄目なのかな。またはメンバーに予約? うわーもーマジでー? お店は遠いし、苦手なのよメンバーに予約*1
 唇尖らせながら髪を洗っていて、ふと「チケット予約というサービスが、そもそも尋常ではないサービスなのだ」ということに思い当たる。チケット予約って、主催者側からすればリスクの高いサービスのはず。予約者が当日来ない可能性は十分にあるので、お金を回収できないかもしれない。それでも来るか来ないかあやふやな予約者のため「予約場所」は確保しておかねばならない*2。顔見知りの予約ならまだしも、顔も名前も知らぬ、何処の誰ともわからぬ者の予約は受け付けたくないだろう。だって予約だけされて、踏み倒されたら困るもの。困らなかった(アテにしてなかった)としても、いやな気分になるだろうし。
 今回私が見たHPのライヴの企画者も多分、顔が見えない誰かや一見さんには前売券を「お店で直接買うしかない券」にしておきたいのだろう。だから不特定多数が見るHPには、前売購入のための詳細を書かないのかもしれない。そう考えると、それは尤もな考えに思える。しかしこのように考えてみると、「何処の誰だかわからん人(予約を踏み倒す可能性のある人)の予約は受け付けられない」というのは、個人商店と馴染みのお客さんのツケに似ている。
 そっかー、ツケと一緒かー! と思い当たったところで、何だか凄く納得。引っかかっていた謎がようやく腑に落ちたような気がする。大体もっとよく考えてみれば、私はプレイガイドを通さないで前売券を確保するようなライヴに行くようになったのは福岡に来てからで、このようなライヴでの流儀を全然知らないのだ。ブチブチ言わずに流儀を身につけて、その上でもう一度考えてみようと思う。

*1:演奏以外のことに手を煩わせたくないのに煩わせにゃならん、という状況が申し訳なくて苦手。

*2:ハコが超満員になってしまう可能性を考える必要がなく、場所確保という発想がそもそもないのかもしれんが。