monster movie 倉地久美夫 at 中洲riverside(福岡)

 持ち帰り仕事が終わらない。ライヴ間に合わないよー、しかしライヴに行ってる場合かね君、とか内心葛藤するうちに肩と頭が痛くなってきたので、無理矢理に支度して出かける。

*****

 開演時刻を少し過ぎた頃に中洲riverside到着。急な階段に踵を踏み外して転けそうになったりしながら上がると、カウンターは既にぎっしり。うーん、もうちょっと早く来れば良かったな。慣れない雰囲気にきょろきょろしまくり。窓際には私の背丈より高い大きなスピーカーが埋まり、カウンターの後ろは一面レコード棚になっている。飲み物のコースターもレコードを切ったものだった。おおー、ジャズ喫茶ってこういうん? カッコ良くて何だか落ち着かないけど「モノが詰まっている」状態を見るのは好きなので何だか嬉しいような、妙な感じ。
 開演を待っていると、同じように一人で来たと言う人から話しかけられる。彼女はあまりライヴに行くことがないそうで、落ち着かなかったらしい。誰も知り合いがいないのに一人でライヴに来た私を珍しく感じたらしい。彼女が珍しがることが私には珍しく感じ*1、あまり馴染みがない視点から発せられる質問は色々興味深かった。
*****

 最初はmonster movie。ギターの音が全然わからんと思ったら、キーボードのような音がギターの音だったらしい。ノイズとギターの音は彼岸から聞こえてくるような音なのだが、ドラムとベースは地の底から聞こえてくるような音で、対比が面白い。ベースカッコいいなあ。ノイズの人はアンプ?に機材を当てたり、ピアノの蓋を半分閉めた状態でピアノのキーを叩いたり、色々見慣れぬ動作があって気になった。退屈することなく聴けたが、こういうのって退屈してしまうのとそうでないのは何が違うのか未だによくわからない。多分自分自身の準備性(音の馴染み具合や体調)もかなり影響していると思うのだけど。
*****

 それから倉地さん。今回は肩透かしというか、アレ? これで終わり? という曲が続き、少々拍子抜け。こういう感触は初めてだったので、ちょっと首を傾げる。ただ、聞き覚えのないタイトルが3曲くらい続いたので、あれらは新曲だったのかな? まだ若芽な曲達で、だから拍子抜けに感じたのかな? とも思う。次に聴く時にはどんな風に変わっているかしら。
 MCは相変わらず掴みどころの無い内容を、掴みどころの無い調子で。客の笑いが絶えない。「手前味噌ですが……」という前置きで、映画のナレーションをしたと話していた。ああ、倉地さんの声でナレーションはいいねえ。手前味噌と言うので満足する出来だったのかな。と思いきや「悪魔で、樹木で、主人公の娘に説教する役」のナレーションで、「時間が短くて物足りなかった」らしい。悪魔の樹木が出てくる映画って、どんな映画なんだろう……。アニメ? 実写ホラー? 気になるが、映画のタイトルを忘れてしまったとのこと*2
 アンコールが1曲あり「アサヒ!」。その後はmonster movieと倉地さんでセッション。倉地さんは、ノイズ担当の人が積んでいるアンプの後ろに何故か入り込んで演奏していた*3。その位置だとカウンターからはほとんど見えなかったんじゃなかろうか。倉地さんは紙を沢山持ち込んでおり、曲が始まると多くの声色を駆使して次々と自己紹介が始まる。客がくすくす笑っていたのは、自己紹介にメンバーの名前が含まれていたからかな? そして、持ち込まれた多量の紙は丸椅子の上から地すべりを起こして落ちる。収拾つけようと手を伸ばすと、更に紙は床に落ちる。動き自体は全く何気ないものなのだが、その一連の動きが妙にゆっくりした動きに見えた。何だったんだろうあれ。
 割と覚えていたので、倉地さんの曲のセットリストなど。(曲順はうろ覚えです)

  1. (タイトル忘れ)
  2. 阿蘇のだるま
  3. 3万年後
  4. 夜霧の嬉野
  5. スーパーちとせ
  6. ベストカメラ
  7. アサヒ!(アンコール)

*1:彼女は知り合いが出るので見に来たと言っていた。一人で観に行くのは私には珍しいことではないし、他の人から見てもそう珍しいことではないだろうと思っていた。

*2:「3万年後」という映画の続編と聞いたので後から調べてみたがよくわからなかった。

*3:前に出たら、とベースの人に促されたりしていたが、何故か出てこなかった。