「RENT」

 職場の同僚に誘われて「行く!」と即答したものの持ち合わせがすっからかんのため、彼女に夕食代と映画代を借りて観に行った。夕食代が思った以上に高くなってしまい、トホホ今結構な金欠なのに…………と切なくなりながら観たので「♪払わないぞ去年の家賃」と貧乏人達が合唱する様はそれはそれは身につまされるものがあった*1
 ヘドウィグやロッキーホラーショウや、果てはサウンドオブミュージックまで、過去に観たミュージカル映画の中では最も歌が多かった印象。ムトゥ踊るマハラジャ並み。タモリのように何故歌い出すのか気になってしまってシラケる人は絶対に観られない映画でしょうな。
 冒頭にステージで合唱される歌(映画のテーマソングといってもいいと思う)の歌詞は一体どういう意味なのか気にしながら見ていたのだが、1990年のエイズ患者(つまり登場人物達)の行動を踏まえると凄く合点がいく感じだった。セルフヘルプグループのシーンや恋人に病気を告白するシーンに、昔エイズカウンセラーの先生から聞いた話を少し思い出したりしつつ観る。
 印象深かったのは我の(主張の)強さとセクシャルマイノリティの認知度。レズビアンカップルの喧嘩場面では双方が互いに「♪これが私よ、受け入れて!」と一歩も譲らないし、レズビアンカップルの婚約パーティーには双方の両親が出席してるし。どちらのエピソードも( Д)゜゜となったというか感覚的にピンとこないものがあって、すげーなアメリカという感じだった。
 終了後、同僚と映画の感想をぽつぽつ話し合いながら帰路につく。人と映画を観に行くことなんて数えるほどしかないのだけど、人と観に行くのも楽しいものだなと思った。
 しかし、ソラリアシネマの再映は安い。850円で観られるというのは凄く魅力的。今後は「ナイロビの蜂」「嫌われ松子の一生」と、『観たかったんだけど何となく見逃した映画』が続くので、また行こう。

*1:貧乏で家賃や電気代などライフラインの資金繰りに頭を悩ませる・その割に自分のしたいことに必要なものには金を使う・かつかつの生活で将来の保障はないけど希望があるから平気 という登場人物達の姿に、うわ、私一緒じゃん!と思ってドキドキした。