最近ココロに引っかかった時事ネタ

美味しい戦中の味

「戦中の味」復活 阪神百貨店弁当販売 (産経新聞
 阪神百貨店大阪市北区)は十五日、戦時下の一般家庭の味をイメージした「戦中献立弁当」二種類を計百二十個販売した。一人一個の限定販売とあって開店前の午前八時から行列ができ、九時四十五分には完売した。
 弁当は大麦、ヒエ、アワなどを交ぜた雑穀米に、イワシの煮干しを使った「ねぎ串」などを詰めた「雑穀米弁当」と、麦とサツマイモのご飯にイワシ丸干し、カボチャなどの煮物が入った「さつま麦飯弁当」。ともに四百九十円で、お釣りの十円には、現在も使える昭和二十年代の十円札が用意された。「味の再現とおいしさ(強調部引用者)を両立させるのに苦労した」という。テレビを見て販売を知ったという大阪府豊中市の主婦(62)は「懐かしいなあと思って急いできました。夫と分け合って食べます」と喜んでいた。

 『戦下のレシピ』を読み進めるうち「これだけ食材が乏しければ、当然調味料もエライことに……」と思っていたのだが、やっぱりエライことになっていたようで、「うっわ〜マズそう〜」と思ったのは調味料に関する記述にも因るところが大きい。なにせ砂糖もないし油もないし、醤油も人造という世界。食材も悪けりゃ調味料も悪い。だからもー、戦中食べていたものって美味しいわけがないと思う。
 美味しくなかったものを美味しく食べさせて「戦中の味復活」の看板掲げるのは嘘なんじゃないの? と思うのです。「味の再現」というか、戦中に食べていたのと同じ食材を使った弁当というだけのような気がする。

セレブって何よ?

「セレブは…」杉田禁煙ポスター誤算 (スポーツニッポン

 わずか7カ月でセレブの座を失った女優・杉田かおる(40)のスピード離婚劇が、思わぬところに波紋を広げている。厚生労働省所管の財団法人による禁煙運動ポスターに「セレブは、吸わない。」とのコピーで登場中のため。同省関係者から「運動のイメージが悪くなる」との声も上がっている。

 杉田が登場しているのは財団法人「結核予防会(JATA)」のポスター。ピンクのセーターを着た杉田がほほ笑み「セレブは、吸わない。」「“禁煙”で勝ち組になりましょうよ。」(強調部引用者)と、杉田が前面に出してきた「セレブ」「勝ち組」のキーワードが躍っている。
(中略)
 ところが、こうしたセレブ宣伝塔との“活躍”とは対照的に、夫婦の関係は時間とともに悪化する一方。杉田はテレビ番組などで夫の鮎川純太氏(44)をさんざん中傷した揚げ句、12日に離婚を発表。厚労省関係者からは「セレブではなくなり、禁煙運動のイメージが悪くなる」(強調部引用者)との声も上がった。

 JATAは「プライベートは関知しない」方針。「セレブの意味は金持ちの女性ではなく、人に奉仕する気持ちのある女性、心のセレブ(強調部引用者)だと解釈している」としたものの、頭の痛い問題を抱えることになった。

 TVの音声だけで聞いていて、聞いているうちに大混乱したネタ。以下、何に混乱したか。

  • セレブと禁煙の間に何の関係があるのか?
  • 禁煙したら「勝ち組」になれるのか? そもそも勝ち組って何の勝ち組?
  • 大体、セレブって何? 

 調べちゃいましたよ。セレブの原義は「有名人、著名人」(はてなキーワード)らしい。ふーん。禁煙と関係ないじゃん。でも、「セレブの仲間入り」「負け組転じて勝ち組」は杉田かおるの持ちネタだから、それに便乗してのキャッチコピーなんだよウン。と自分を無理矢理納得させようとしていた矢先に「厚生省関係者の発言」で更にわけがわからなくなる。

  • 「セレブではなくなり、禁煙運動のイメージが悪くなる」って、キャッチコピーとはズレるけれどそもそもキャッチコピー自体がほとんど意味を成さないコピーなわけだし、杉田かおるが禁煙運動と相反するようなことしていたわけでもなし、何故禁煙運動のイメージが悪くなるのよ?

そして最後のシメ。

  • 心のセレブって何?

 もう刷っちゃったポスターを無駄にするわけにはいかないから「心のセレブ」という言葉を使ったんだろうけど、「セレブ」の意味にも合わないし、もう本当にわけがわからない。思考停止しないとやってられません。厚生省関係者とJATAのコメントで、ますます禁煙運動が嫌いになる*1

穿った見方が過ぎるかしら

自民「女性の華」頼み 比例1位、反対派選挙区 擁立急ぐ (産経新聞
 自民党分裂選挙となった総選挙で、小泉純一郎首相(党総裁)や執行部が女性候補擁立を急ピッチで進めている。総選挙の準備期間はわずかしかなく、郵政民営化関連法案の衆院採決で反対した前職との選挙戦で勝ち抜くためにも、女性候補の「華」に期待している。ただ、女性頼みの戦略はイメージ優先とみられがちで、選挙戦でどこまで奏功するか未知数だ。
 「改革のマドンナ、改革の旗手としてぜひお願いしたい。この選挙が日本の分かれ道だ」
 小泉首相は十三日、党本部で会談した財務省課長、片山さつき氏(46)に熱っぽく語りかけた。片山氏は郵政反対派の前職、城内実氏(40)の静岡7区で立候補の方向。すでに小林興起氏(61)の対立候補として小池百合子環境相(53)を公認、自見庄三郎氏(59)には西川京子氏(59)をぶつけることも決まっている。奈良2区では滝実氏(66)の対抗馬として高市早苗氏(44)に出馬を要請、承諾を得た。
(後略)

 自民党郵政民営化賛成派と反対派に二分されちゃって、反対派の選挙区にもれなく賛成派の対抗馬をつけるというから、どうすんのかなと思っていたんです。総数で考えれば自民党議席が減るのは確実だよねええ、ムー潰し合いって感じ。と思っていた矢先のこの話。「涙は女性の最大の武器だから」とかどういう意味だ?と思うような発言をしてきた小泉さんが、女性立候補者を本気で政治の中に入れようと考えているとは思えんのですよ。女性立候補者なら落選しても別にかまわないから、って考えてないか? 穿って見過ぎ?

*1:私は非喫煙者で、煙草は嫌いだから喫煙者の肩を持つつもりは毛頭ないのですが、禁煙運動の人々にしばしば見られる「喫煙=絶対悪」的な頑なさも嫌いなのですよ。