最近読んだ本
ようやくまとまって時間が取れたので、最近読んだ本とその感想など、つらつらと挙げてみようかと。
炭坑(やま)の灯は消えても―三池鉱炭じん爆発によるCO中毒の33年
- 作者: 原田正純
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 1997/12/10
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
炭鉱に興味があって、でたらめに図書館から福岡の炭鉱に関する本を時折借りては読んできていたのだが、その中の一環で読んだ本。私の先生が医師になった年、この炭塵爆発があったそうで、時代を感じましたわ。
一酸化炭素中毒は予後が良好であるとする説と不良であるとする説2つがあったが、日本では(説を裏づける論文は不確かなデータであるにもかかわらず)予後良好説が流布されていた話、被災した労働者の治療にあたった医師が一酸化炭素中毒の知識がほとんどなく、それが症状の悪化に繋がった話は恐ろしかった。教科書になっているからって鵜呑みにしちゃ駄目なのね。何だか自分への教訓のような話。
一酸化炭素中毒が神経系への後遺症を起こすことも知らなかったので、それも新鮮だった。練炭で自殺なんかするもんじゃないと思いましたわ。
原田氏は医者なので「ある1つの現場で、医師(医療従事者)がどのように機能したか・したら良いと思うか」という視点で本を書いている。それが面白くて、氏のメインの仕事であるらしい水俣病関係の本に手を出してみた。(続く)